Take It Easy

私の毎日を彩るものの記録。またの名を、備忘録。

感想文:ユージニア

 

ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)

 

 

<ネタバレ感想>
恩田陸のミステリって、犯人とか真相とか分からないまま終わること多いですよね。この「ユージニア」も然り。面白いから読み進めちゃうけど、ほぼ理解出来た気がしないな…笑。インタビュー形式で、語り手がコロコロ変わっていく感じは「Q&A」を思い出しました(あれも真相は分からずじまいの話でしたね)

 

ネットで人様の感想文を拝見しつつ、自分でも咀嚼してみた結果、私は「直接的な犯人=緋紗子の母」と解釈しました。
状況的に「順二がジュースをもらった段階で毒は入っていた」=「自殺した男はこの時点でまだ飲み物を配達していない(後で向かった満喜子がこの男に道を尋ねられている)」≒「毒を入れたのは家の中の人物」かなと。緋紗子も家にはいるだろうけど、毒を入れるのは厳しい気がする。緋紗子の願い(青い部屋の懺悔)を聞いた母親が、自分を含めた家族の皆殺しを図ったのでは。自殺した男がどの程度、どういう風に唆されたのかは分かりませんが、殺害については彼は冤罪だったと私は思います。緋紗子が犯人じゃないと分かったからこそ、犯人だと思っていた満喜子はショックだったんじゃないでしょうかね。

 

だからと言って、緋紗子が完全なるただの遺族かといえばそうでもない気はする。緋紗子は、母親がこれから起こす惨劇を分かっていて、それをどこかで望んでいたんじゃないかなぁ。それこそ、飲み物に毒が入っていると知りながら、誰にも言わなかった順二のように。彼にしてみれば、教えなかったところで苦しむのは自分を見下してくる青澤家なんだし、緋紗子も自分の望み(=一人になりたい)が叶えられるわけで、二人とも「まぁ、いっか?」ぐらいの感じだったんじゃないですかね。事の重大さとか、あんま深く考えてなさそう。
「何かを知っている、というのは罪なのだろうか」ってセリフがあったけど、後々この罪に潰されたのが順二、この罪によって解放されたのが緋紗子って感じがします。

 

まぁ、それもフィクションだとか嘘だとか言われたら分かんないですけどね。第3章なんて「忘れられた祝祭」の本文だろうから、満喜子のフィクションかもしれない。犯人は、緋紗子でも、自殺した男でも別にいいんでしょう。何なら、緋紗子がお母さんと男を唆したっていう、緋紗子真犯人の全員共犯でも面白いかも。